「夏にポリエステルの服を着ても暑くないのかな?」「ポリエステルって通気性が悪いって聞いたけど、本当?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。結論から言うと、ポリエステルは適切な織り方や加工がされていれば、夏でも快適に着用できる素材なんです。この記事では、ポリエステルの通気性の特徴や、夏に着用する際のメリット・デメリットについて専門家の視点から詳しく解説していきます。
ポリエステルとは?
ポリエステルは私たちの生活に非常に身近な素材ですが、その特性や性質についてきちんと理解されていない方も多いでしょう。ここでは、ポリエステルという素材がどのようなものなのか、基本的な特徴について解説していきます。
ポリエステルの基本情報と歴史
ポリエステルは、化学的に合成された合成繊維の一種です。正式には「ポリエチレンテレフタレート(PET)」という長い名前を持ち、石油を原料として作られています。1941年にイギリスの化学者たちによって発明され、1950年代から本格的に商業生産が始まりました。
日本では1958年に初めて生産が開始され、その後、衣類や産業用の素材として急速に普及していきました。現在では世界で最も生産量が多い繊維素材の一つであり、衣類だけでなく、ペットボトルや各種容器、カーテンやカーペットなど、幅広い製品に使用されています。
ポリエステルは分子構造が非常に安定しているため、丈夫で長持ちするという特徴があります。また、化学的に合成されるため、天然繊維と比べて生産過程を厳密に管理でき、均一な品質の素材を大量に生産することが可能です。
ポリエステルの特徴と用途
ポリエステルの主な特徴としては、以下のような点が挙げられます。
まず、耐久性に優れており、摩擦や引っ張りに強いため、長期間使用しても形が崩れにくいという特徴があります。また、シワになりにくく、洗濯後も乾きやすいため、お手入れが簡単です。
さらに、ポリエステルは水分を吸収しにくい疎水性の素材であり、これが速乾性につながっています。汗をかいても素材自体は水分を吸い込まず、外部へ発散させやすい特性を持っています。
加えて、紫外線や熱、化学薬品にも強く、カビや虫による被害も受けにくいという利点もあります。染色性にも優れているため、鮮やかな色合いや複雑なプリントが可能で、デザイン性の高い製品を作ることができます。
これらの特徴を活かして、ポリエステルはスポーツウェアやアウトドア用品、ユニフォーム、カーテン、寝具など、様々な製品に利用されています。特に近年では、リサイクルポリエステルの開発や機能性加工技術の進歩により、環境に配慮した製品や高機能製品の素材としても注目されています。
ポリエステルの通気性はどうなの?
ポリエステルの通気性については様々な意見があり、混乱している方も多いでしょう。ここでは科学的な観点から、ポリエステルの通気性について詳しく解説していきます。
通気性の仕組みと評価方法
衣類の通気性とは、空気や水蒸気が生地を通過する能力のことを指します。通気性が良いと体から出る熱や湿気が外に逃げやすくなり、着心地が快適になります。
通気性を評価する方法としては、「通気抵抗」や「空気透過率」といった指標が用いられます。これらは専用の測定器を使って、一定面積の生地を通過する空気量や、生地が空気の通過に与える抵抗を測定します。
また、「蒸れ感」を評価するために「水蒸気透過率」という指標も使われます。これは汗などの水蒸気が生地を通過する度合いを測定するもので、この値が高いほど蒸れにくく、夏場の着用に適していると言えます。
ポリエステルの通気性に関する誤解
ポリエステルは通気性が悪いというイメージが一般的ですが、これは半分は正しく、半分は誤解です。
ポリエステル繊維自体は確かに通気性に優れているとは言えません。天然繊維である綿や麻と比較すると、繊維の構造上、空気の通り道が少なく、通気性は劣る傾向にあります。
しかし、実際の衣類の通気性は繊維の種類だけでなく、「織り方」や「編み方」に大きく影響されます。つまり、ポリエステル100%の生地でも、メッシュ状に編まれていれば非常に通気性が良くなります。逆に、綿100%でも高密度に織られていれば通気性は低下します。
したがって、「ポリエステルだから通気性が悪い」と一概に言うことはできず、生地の構造や加工方法によって大きく変わるのが真実です。
通気性を向上させる加工技術
現代の繊維技術は日々進化しており、ポリエステルの通気性を向上させるための様々な加工技術が開発されています。
例えば、「吸汗速乾加工」は、ポリエステル繊維の表面に特殊な加工を施し、汗を素早く吸収して外部に発散させる機能を持たせたものです。これにより、汗による蒸れ感を軽減させることができます。
また、「通気孔加工」は、生地に微細な穴を開けることで通気性を高める技術です。これによって、通常のポリエステル生地よりも風が通りやすくなります。
このような最新の加工技術を使用したポリエステル製品は、夏場でも快適に着用できるよう設計されています。
夏に着るポリエステル素材のメリット
ポリエステルは夏に着るとどんなメリットがあるのでしょうか。通気性以外の観点から、夏場にポリエステル素材を選ぶ利点について詳しく見ていきましょう。
速乾性と汗対策
ポリエステルの最大の特徴の一つが優れた速乾性です。ポリエステル繊維自体は水分を吸収しないため、汗で濡れても繊維が水分を含まず、表面の水分だけが蒸発します。そのため、綿などの天然繊維と比べて格段に乾きが早いのです。
夏場は汗をかきやすい季節ですが、ポリエステル製の衣類であれば汗が乾きやすく、濡れた状態が続くことによる不快感や冷感を軽減できます。特に近年は吸汗速乾機能を強化した「ドライ素材」と呼ばれるポリエステル製品が多く販売されており、スポーツウェアだけでなく、日常着としても人気です。
また、汗のにおいの原因となる雑菌の繁殖も、乾きが早いことで抑制できるというメリットもあります。
軽量性と着心地
ポリエステルは非常に軽量な素材です。同じ厚さの綿や麻と比較すると、その重量は約半分程度と言われています。夏の暑い時期には、少しでも体への負担を減らしたいもの。軽い素材であれば体力の消耗も少なく、暑さによる疲労感も軽減できます。
また、適切に加工されたポリエステルは肌触りも良く、サラッとした着心地を提供します。特に最新の技術で作られたポリエステル製品は、以前のようなゴワゴワした感触はなく、シルクのような滑らかさを実現しているものも多くあります。
耐久性とお手入れの簡単さ
ポリエステルは非常に丈夫で耐久性に優れています。摩擦や引っ張りに強く、型崩れしにくいため、何度洗濯しても形状を保ちやすいという特徴があります。
また、シワになりにくく、アイロンがけの必要性も低いのがポリエステルの大きな利点です。夏場の忙しい時期には、洗濯後にすぐ乾いて、そのまま着られるという手軽さは大きな魅力と言えるでしょう。
さらに、ポリエステルは洗濯による色落ちも少なく、鮮やかな色合いを長く保つことができます。夏らしい明るい色の衣類も、長期間美しい状態で着用することが可能です。
夏に着るポリエステル素材のデメリット
ポリエステルには多くのメリットがありますが、夏に着用する際に気をつけたいデメリットもあります。実際の使用感を向上させるためにも、これらのデメリットをしっかり理解しておきましょう。
静電気と肌触りの問題
ポリエステルは合成繊維であるため、静電気が発生しやすいという特性があります。特に乾燥した環境では、衣類同士や他の物との摩擦で静電気が生じやすく、これが肌への刺激となることがあります。
また、一般的なポリエステル素材は天然繊維に比べて肌触りが劣ることが多く、特に敏感肌の方にとっては不快感を感じることがあります。汗をかいた状態で肌に密着すると、ベタついた感じや引っかかり感を覚えることもあるでしょう。
近年は技術の進歩により、これらの問題を改善した高品質なポリエステル製品も増えていますが、安価な製品では依然としてこのような課題が残っていることがあります。
匂いがつきやすい特性
ポリエステルは油分を含む汗や皮脂を吸着しやすい性質があります。そのため、長時間着用していると、これらが繊維に付着して匂いの原因となることがあります。
特に夏場は汗をかく量が増えるため、ポリエステル製の衣類は汗の匂いが残りやすく、一度付いた匂いは通常の洗濯では完全に除去するのが難しい場合もあります。
この問題に対処するためには、抗菌・防臭加工が施されたポリエステル製品を選ぶか、こまめに洗濯するなどの対策が必要です。
夏に快適にポリエステルを着こなすコツ
ポリエステルのメリットを最大限に活かし、デメリットを最小限に抑えるためには、いくつかのコツがあります。ここでは、夏に快適にポリエステルを着こなすためのポイントを紹介します。
織り方や編み方による違い
ポリエステル製品を選ぶ際には、その織り方や編み方に注目することが重要です。同じポリエステル100%の製品でも、織り方や編み方によって通気性や肌触りが大きく異なります。
例えば、メッシュ構造の生地は通気性に優れており、汗をかきやすい夏には最適です。また、ワッフル織りやハニカム構造の生地は、生地と肌の間に空気の層を作り出し、熱がこもりにくいという特徴があります。
一方、平織りや高密度の織り方をした生地は通気性が低くなる傾向があるため、夏場の着用には適していない場合があります。製品を購入する際には、パッケージや商品説明に記載されている織り方や編み方の情報をチェックしましょう。
混紡素材の活用法
ポリエステル100%の製品ではなく、天然繊維との混紡素材を選ぶことも夏場の快適さを高める方法の一つです。
例えば、「ポリエステルと綿の混紡」は、ポリエステルの速乾性と形状保持性、綿の吸湿性と肌触りの良さを兼ね備えた素材となります。特に、ポリエステル65%・綿35%といった配合は、両方の素材のメリットをバランスよく取り入れた人気の混紡率です。
また、「ポリエステルとレーヨン(ビスコース)の混紡」も夏向きの素材として注目されています。レーヨンは吸湿性に優れており、ポリエステルの速乾性と組み合わせることで、汗をかいても快適に過ごせる素材となります。
その他、「ポリエステルと麻の混紡」も、麻の持つ高い通気性とポリエステルの耐久性を兼ね備えた夏向きの素材です。
お手入れ方法と洗濯のポイント
ポリエステル製品を長く快適に使用するためには、適切なお手入れが欠かせません。
まず、洗濯の際には洗濯表示を確認して、適切な方法で洗うことが大切です。一般的にポリエステルは洗濯機で洗えることが多いですが、デリケートな製品は手洗いが推奨される場合もあります。
また、汗や皮脂の匂いが付きやすいという特性があるため、着用後はなるべく早く洗濯することをおすすめします。特に夏場は汗をかきやすいので、こまめな洗濯が重要です。
洗剤については、中性洗剤が適していることが多いですが、汗やにおいが気になる場合は酵素入りの洗剤や、スポーツウェア専用の洗剤を使用するとより効果的です。
乾燥方法については、ポリエステルは速乾性に優れているため、自然乾燥でもすぐに乾きます。タンブル乾燥も可能ですが、高温での乾燥は避け、低温または中温で行うことをおすすめします。
【用途別】おすすめのポリエステル素材服の選び方は?
ポリエステル製品は様々なシーンで活用できますが、目的や状況に応じて最適な製品を選ぶことが大切です。ここでは、シーン別におすすめのポリエステル製品の選び方を紹介します。
スポーツシーンでの選び方
スポーツ時には大量の汗をかくため、吸汗速乾性に優れたポリエステル製品が最適です。特に「ドライ機能」や「クール機能」を謳った製品は、汗を素早く発散させ、体温上昇を抑える効果があります。
また、UVカット機能付きのポリエステル製品も、屋外でのスポーツには重宝します。ポリエステルは紫外線カット率が高い素材であり、肌を紫外線から守ってくれます。
さらに、適度な伸縮性を持つ「ストレッチポリエステル」も動きやすさを求めるスポーツシーンでは重要です。4方向ストレッチ素材を使用した製品は、どの方向にも伸縮するため、激しい動きにも対応できます。
日常使いでの選び方
日常生活での着用には、快適さと見た目のバランスが重要です。通勤や買い物などの一般的な活動では、ポリエステルと綿やレーヨンの混紡素材が使いやすいでしょう。
また、最近では「接触冷感」機能を持つポリエステル製品も増えています。これは生地に触れたときにひんやりと感じる機能で、夏の日常使いには非常に心地よいものです。
見た目の面では、一見綿や麻のように見えるポリエステル製品も多く、ビジネスカジュアルにも対応できる製品が増えています。特に、シワになりにくいという特性は通勤着としても重宝します。
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まとめ
ポリエステルは「通気性が悪い」というイメージがありますが、織り方や加工によっては夏でも快適に着用できます。最新の技術で通気性や肌触りが改善された製品も多く登場しており、速乾性、軽量性、お手入れのしやすさといった強みを活かせば夏の暑さも快適に乗り切れます。 ただし、静電気や匂いの問題、環境面での課題も存在するため、目的や状況に応じた製品選びが重要です。メッシュ状の織りや天然繊維との混紡素材を選ぶ、こまめな洗濯を心がけるなどの工夫で、ポリエステル素材の良さを最大限に引き出しましょう。 適切な製品選びと着こなし方で、ポリエステルの機能性を活かした快適な夏のファッションを楽しんでください。
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